誰でも、壁には、ぶつかる




誰でも、壁にはぶつかるのです。
どんなに、優れている人間でも、
世の中で、天才だと呼ばれているような人間でも、
達人、名人と呼ばれているような人間でも、
皆、それぞれ、必ず、壁にはぶつかるのです。

それらの人達といわゆる出来ない人達との違いはと言うと、
出来ない人間は、
最初の内は、真面目に、一生懸命に、
努力をしていくのですが、
ちょっと壁にぶつかると、
「やっぱり、ダメだ。自分には、才能がない。」
と思って、ろくに、十分な努力もしていないうちに、
いとも簡単に、あきらめてしまうのです。
そして、遊び呆けてしまうのです。
あきらめて、遊び呆けていたならば、
益々、出来なくなっていってしまうのです。

出来る人間はと申しますと、
出来る人間だって、同じように壁にはぶつかるのです。
しかし、出来る人間は、
壁にぶつかったって、
ちょっとやそっとではあきらめたりはしないのです。
本当に出来る人間は、
壁にぶつかったとしても、
その壁がどんな高い壁だったとしても
どんなに厚い壁だったとしても、
決して、あきらめたりしないで、
ただ黙々と、その壁を乗り越えていくための努力を、
ひたすらに、続けていくのです。
自分の可能性を信じて。
自分の無限の可能性を信じて。

この世の中の出来ない人間と出来る人間との違いは、
たった、これだけの違いなのです。


人間の生まれ持った才能や能力なんて、皆、
五十歩百歩です。
例えば、たいていの人達、ほとんどの人達は、
極めて難しい言語である日本語を読み、書き、話すことができます。
それから、例えば、たいていの人達、ほとんどの人達は、
自分の足で、立って、歩くことができます。
そして、走ることもできます。

日本語の読み、書き、話す能力は、
知的能力。
立って、歩いて、走る能力は、
運動能力。
(もちろん、全ての人達が、出来るわけではありませんが。
小さな赤ん坊、幼い子供、
それから、病気、怪我、障がいをお持ちの方々の中には、
出来ない方もいらっしゃることと思います。
しかし、その病気、怪我、障がいをお持ちで出来ない方達が、
必ずしも、劣っているというわけでは、
もちろん、ありません。)

しかし、ある程度、成長をしていて、
そして、健康であったならば、
これらのことは、誰でも出来ることだと思います。

後は、その持って生まれた能力を、
いかに、努力をして、
いかに、活かしていくかということなのです。
そして、いかに、あきらめずに、
いかに、努力を続けていくことが出来るか
ということに尽きるのです。

もちろん、努力だけでは手には入らない
特殊な才能、能力といったものも、
確かに、この世には存在しています。
例えば、音楽における絶対音感は、
6歳頃までに、音楽、楽器に触れて、
身に付けなかったならば、
7歳を過ぎてから、いくら一生懸命に、
努力を行ったとしても、決して、身に付きません。
それから、言語習得についても、
6歳頃までの子供は、その言語の環境があったならば、
特に、努力をしなくても、自然と身に付きます。
そして、言語習得については、7歳を過ぎたとしても、
十分に、身に付きます。
7歳を過ぎたとしても、周りにその言語環境があったとしたならば、
大した苦労はしなくても、自然と身に付きます。
しかし、年齢を重ねれば重ねていくほどに、
段々と、言語の習得が難しくなっていくのです。

絶対音感や言語の習得に必要なものは、
主に、環境であって、
持って生まれた才能では、決して、ないのです。

そして、そういった環境に恵まれなかった人達は、
物凄い努力を重ねて、
それらの才能、能力を獲得していっているのです。
絶対音感は、7歳を過ぎたならば、
どんなに努力をしても身に付きませんが、
しかし、相対音感は、努力次第で、
いくらでも身に付くのです。
実際、現在、プロで活躍されているミュージシャンの人達も、
圧倒的多数の人達は、絶対音感を持ってはいないのです。(クラシックのミュージシャンは除く。)
プロミュージシャンの方の多くも、
努力を積み重ねて、相対音感を身に付けているだけなのです。
それから、例えば、英語を職業にしている人達の中にも
子供の頃や、若い頃に、英語圏に住んだり、
英語圏に留学をされた経験が、全くないという方達も、
存在しているのです。
そういった人達は、本当に、血のにじむような努力を積み重ねて、
現在の職業に就いておられるのだと、想像致します。


冒頭で、何事も、あきらめないで、
努力を積み重ねていくのが、
「出来る人間」だと申しましたが、
さらに付け加えさせて頂きますと、
出来る人間というのは、
何でも、積極的なのです。
積極的な物の考え方。
積極的な姿勢。
積極的な生き方。

消極的な人間、
消極的な物の考え方の人間、
消極的な姿勢の人間
消極的な生き方の人間というのは、
出来る人間には、なり難いのです。
(かつての私が、そうでした。)


高い壁にぶつかったとしても、
決して、あきらめないで、
そして、常に、積極的に、
努力を積み重ねていくような生き方を、
皆様は、されていってください。

皆様は、是非、出来る人間になってください。




合   掌

















HOMENEXT