「人命は地球より重い」という言葉
「人命は地球より重い」という言葉は、真理の言葉ではありません。
「人命は地球より重い」という言葉は、真実の言葉ではありません。
「人命は地球より重い」という言葉は、詩的な言葉。
そして、この言葉は、人々に平和をもたらす、
本当に、素晴らしい、
とても良い言葉なのです。
もし、この世の中の人間が皆、
「人命は地球より重い」という言葉の意識を持って、
生きていったとしたならば、
殺人事件など、起こるわけがなくなるのです。
それから、自殺をしようとする人だって、
その自殺を思いとどまるはずなのです。
それから、もちろん、戦争だって、テロだって、
起こるわけがなくなるのです。
この「人命は地球より重い」という言葉の語源を、
私は、一生懸命に探してみました。
ネットで検索をして調べてみますと、
この言葉は、イギリス人のサミュエル・スマイルズという人が書いた
「自助論」という本の中に出てくる言葉だと書いてありましたので、
「自助論」の本を何冊も購入して、調べてみたのですが、
どの本にも、「人命は地球より重い」という言葉は載っておりませんでした。
しかし、「自助論」ではなくて、
明治時代に発行された「西国立志編」という名前の
中村正直という人が翻訳した「自助論」の本には、
きちんと載っておりました。
それは、サミュエル・スマイルズの文章の訳としてではなくて、
訳者の中村正直さんが書いた序文として、載っていたのです。
「一人の命は全地球より重い」
つまり、この「一人の命は全地球より重い」という言葉は、
元々日本人が考えた言葉で、日本発祥の言葉だということになるのです。
私は、このことを知った時、
本当に嬉しくて、そして、同じ日本人として、とても誇らしく思いました。
(サミュエル・スマイルズという人は、軍人を多く取り上げて、
称えているような人ですから、根っからの平和主義の人間ではないのです。)
そう言えば、あの憲法第9条だって、
元々は、日本人の幣原喜重郎首相(当時)が考えたものであって、
GHQから押し付けられたものでは全くないのです。
日本人というのは、実に、平和を愛する素晴らしい民族、人々であると感じました。
中村正直さん(1832〜1891)も、
幣原喜重郎さん(1872〜1951)も、
大昔の人間ではありますが、
こんなにも昔の日本にも、
本当に、平和を愛する人達がいたことを知って、
私は、大変に嬉しく思っているのです。
合 掌